活用事例のご紹介

chromebookからの印刷の疑問にお答えします。

2020年12月にGoogle Cloud Print “GCL”のサービスの提供を中止すると、Google社がアナウンスしています。弊社のお客様にも、混乱が広がっており、ガラパゴス化した日本のプリント環境を含めて説明が必要であると考え、説明をさせていただきます。各プリンタメーカーからの新しい情報が発信されるごとに順次アップデートして行きます。メーカーのご担当者様、情報提供をよろしくお願い申し上げます。

疑問点1:今までGCL経由でchromebookから社内のネットワークプリンタに印刷していましたが、そのままの環境で印刷できますか?

回答1:答はYesのケースとNoのケースがあります。

海外では、通常、プリンタ言語はPostScriptとPCLの2種類の言語しかありません。この言語のコマンド体系を使って、プリンタドライバからPS,PCLそれぞれのコマンドを生成し、それをプリンタに送っています。プリンタ側に言語インタープリタが搭載されており、プリンタ言語をディスプレイリストにページごとのデータとして落とし込み、それをレーザーで書き込むためのVIDEO RAMにページごとにビットマップデータとして書き込みます。それをレーザーダイオードにHSYNC信号に同期させ、DMA送信します。このON,OFF信号、をRETなどの解像度モジュレーション変換後、感光ドラムに書き込んで行き、トナーで現像し、印刷します。

日本ではリコー、キヤノン、富士ゼロックス、エプソン社が独自のプリンタ言語を使っているため、これら4メーカーの機種、そのままではchromebookからCUPSを使った印刷は出来ません。これを解決するには、PostScriptオプションを購入し、プリンタに搭載することです。ただし、キヤノン製プリンタのように、そもそもPSオプションを持っていない機種もあり、これらのプリンタではメーカーの提供するツールを使って印刷することになりますが、現時点ではメーカーからの解決策は示されていません。(記事作成時点)PSオプションはかなり高価であるため、プリンタ台数の多い企業にとってはかなりの負担となります。また、PSオプションを使うためにプリンタ側のメモリを増強しなければならないケースもあります。

既存のプリンタを簡単にchromebook対応するにはPaperCut Mobility Printを導入する方法が有効です。

 

疑問点2:すでに標準モデルとしてPSを搭載しているプリンタからならchromebookから印刷できますか?

回答2:コニカミノルタ、沖データ、京セラ機はPSを搭載していますので、PPDをPC側にインストールすれば印刷できる可能性があります。

これらの企業のプリンタコントローラにはいわゆるPSクローンのインタープリタが搭載されています。純正のAdobe社のPostScript Level3  との互換性は100%完全とは言えません。今回Googleから提供されるCUPS印刷(Common Unix Printing System) は、Unix, Linux系で使われてきた技術で、 Generic PostScript ドライバを使って印刷されます。このGenericドライバはAdobe社の純正ではありませんので、プリンタとの組み合わせで不整合を発生する可能性はゼロではありません。また、各社、CUPSで印刷できるよう、PPD ファイル (PostScript Printer Description File )を提供しております。このPPDファイルはGenericのPostScriptドライバに加えて、プリンタの設定情報を反映させるためのファイルであり、カラープロファイルのICC Profileなどと併用され、使われます。このPPDファイルには搭載しているトレーの数、プリンタモデル独自のオプション設定が記述されており、印刷時にPSデータと共にプリンタの設定が行えるような仕組みになっています。今回、各プリンタメーカーはこのPPDファイルをchromebook用に配布開始しております。

疑問点3:リコーのプリンタを使っています。chromebookから印刷するにはどうすれば良いですか?

回答3:方法は2つあります。CUPS経由で印刷したい場合はPSオプションを持っているプリンタに関しては別売のPSオプションを買って、提供されているPPDをPC側に設定してください。もう一つの方法は、社内にPaperCut Mobility Print サーバを立てることです。

Mobility Printを使えば、PSオプションを購入することなく、現状のRPCSで印刷できます。PaperCut Mobility Print を使えば現在使っている他社のプリンタも含めてchromebookから印刷できるようになります。すでにPaperCut を導入されているお客様であれば簡単に既存環境にchromebookを組込むことが出来ます。

ちなみに自社で使っているプリンタがPSオプションを持っているかどうか調べるには以下のリンクを参照下さい。

参考リンク「リコー社のサイト、ポストスクリプトに対応しているか知りたい」

 

疑問点4:キヤノンのプリンタを使っています。chromebookから印刷するにはどうすれば良いですか?

回答4:社内にPaperCut Mobility Print サーバを立ててください。現状のLIPS-LXで印刷できます。

キヤノン製プリンタの国内モデルは基本的にPostScriptを搭載しておりません。PaperCut Mobility Print を使って印刷するのがお勧めです。

 

疑問点5:富士ゼロックス製のプリンタを使っています。chromebookから印刷するにはどうすれば良いですか?

回答5:方法は2つあります。CUPS経由で印刷したい場合はPSオプションを持っているプリンタに関しては別売のPSオプションを買って、提供されているPPDをPC側に設定してください。もう一つの方法は、社内にPaperCut Mobility Print サーバを立てることです。

国内で販売されている富士ゼロックス社製プリンタは通常、ArtEX 用のインタープリタが搭載されています。そのままではchromebookから印刷できませんので、PaperCut Mobility Printを導入いただくか、富士ゼロックス社から別売のPostScriptオプションを購入し、CUPS印刷に変更する必要があります。

疑問点6:沖データ製のプリンタを使っています。chromebookから印刷するにはどうすれば良いですか?

回答6:方法は2つあります。CUPS経由で印刷したい場合は、提供されているPPDをchromebook側に設定してください。もう一つの方法は、社内にPaperCut Mobility Print サーバを立てることです。

沖データ社のLEDプリンタは標準でPCL及びPostScriptのインタープリタを搭載しています。プリンタ側をAuto Emulation Switching モードに設定しておけば、PSデータが送られてきた場合、PS インタープリタがディスプレイリストを生成し、ページメモリに展開します。

基本的にはPostScript対応機なら沖データ社から提供されるPPDファイルを組込むことによりchromebookから印刷できるようになります。

沖データ社サイト:chromeOSからの印刷を参照

クロームOSからの印刷 を参照してください。

疑問点7:プリンタがPostScriptインタープリタを搭載していれば必ずchromebookから印刷できるのですか?

回答7:リコー社、沖データ社はWebで公開しているPPDが必要であるとアナウンスしております。メーカーが提供する何らかの仕組みが無ければPostScript対応プリンタであるから、即、chromebookから印刷可能とは言えないようです。現在、各メーカーからの発信情報が少ないため、判断しかねます。

 

疑問点8:PaperCut Mobility Printはchromebookから印刷する場合、どうやって印刷しているのですか?

回答8:chromebook側はCUPS印刷を設定し、データはPostScriptでPaperCut プリントサーバに送られます。Mobility Printは送られてきたPSデータをソフトウエアRIPし、現在プリントサーバにインストールされている各社のドライバにイメージ印刷として印刷指示をかけます。各社プリンタには各社のインタプリタが搭載されていますが、ドライバをそのメーカーのものを使うことにより、正常に印刷されます。

疑問点9:プリンタ用にPSオプションも買いたくない、PaperCutのようにサーバーも立てたくない場合、他に方法はありませんか?

回答9:サードパーティによるクラウド印刷の仕組みを使う方法があります。詳しくはCOSYのサイトをご参照ください。

 

疑問点10:そもそもchromebookから印刷のために提供されているPPDって何ですか?

回答10: PPDはそもそもプリンタ側にPostScriptインタープリタが搭載されていなければ意味を成しません。PostScript非対応のプリンタ機種にどこかから入手したPPDを適用しても、動作しません。通常のPostScript 印刷の場合、WindowsやLinuxなどのOSで動いているPC側にドライバを組込みます。ここで、PostScriptドライバを組込むと、ワードなどのアプリから印刷指示をかけると、ドライバがドキュメントをPostScript コマンドに書き換えます。これにヘッダー情報としてPPDから生成されたPJLコマンド情報を付加して、ネットワーク経由でプリンタに送信します。PPDには、対象プリンタで使えるトレーやオプション機能の情報が包含されており、それがPJLとして吐き出されます。(PJL: Printer Job Language) これらの一連のコマンドセットがプリンタに送られ、プリンタ側のPostScript インタープリタで解析が行われ、ビット画像が生成されます。

chromebookの場合、UNIXのCUPSが使われているため、CUPSのセットアップ時にGeneric PostScriptが自動的に設定されていると考えられます。

まとめ

大まかに分けると各社プリンタに於いてChromebookから印刷するには以下のような構成となります。ただし、各メーカーで販売しているプリンタのすべてが当てはまるわけではなく、GDIプリンタなどそもそも印刷できないものもありますし、独自のツールを使って印刷できる場合も考えられます。また、本記事は主にオフィスで業務に使うプリンタを想定しております。家庭用のプリンタについては多くの場合、GDIプリンタであるため、機種により著しく異なります。詳細はメーカーにお問い合わせください。PPDとは”PostScript Printer Description file”のことで、各プリンタの属性情報をPSの書式に従って記述したファイルで、メーカーが機種ごとに提供しております。(提供していない機種もありますのでご注意を)

CUPS printing

CUPS printing

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